「宇宙エレベーター」をご存知でしょうか?
「宇宙エレベーター」とは、その名の通り地上から宇宙まで移動できるエレベーターです。
「エレベーターで宇宙に行くなんて無理だろう」と思うかもしれませんが、理論的には十分実現可能とされており、日本では、大手ゼネコンの大林組が2050年の完成を想定してプロジェクトを立ち上げています。
また、2012年には東京大学の入試問題にも取り上げられています。
そこで今回は、「宇宙エレベーター」とは何なのかを解説し、「宇宙エレベーター」を英語で説明する方法を紹介します。
「宇宙エレベーター」とは?
はじめに、宇宙エレベーターとはどういうものかについて説明します。
宇宙エレベーターの仕組み
宇宙エレベーターは、地球の周りを回る人工衛星からケーブルを伸ばし、その間を人や物資が移動できる仕組みになります。
ここで、人工衛星が地球に向かってケーブルを伸ばすと、ケーブルの重力によって人工衛星は地球側に引っ張られてしまいます。
そこで、ケーブルを地球側と宇宙側(地球と反対側)の両方に向かって伸ばします。
こうすることで、重力と遠心力のバランスが取れ、人工衛星は高度を維持しながら静止軌道上を周回することができます。
宇宙エレベーターのアイデアは古くから知られており、理論的には実現可能とされていました。
しかしながら、技術的な課題が多く、特に人工衛星から吊り下げるケーブルは軽さと強さを兼ね備えた素材である必要があるため、技術的に不可能とされていました。
この課題を解決したのが、「カーボンナノチューブ」です。
カーボンナノチューブの発見によって、上記のアイデアは技術的にも実現可能なものとなり、宇宙エレベーターの研究も盛んになりました。
宇宙エレベーターが実現するとどうなる?
では、宇宙エレベーターが実現するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
まず第一のメリットは、「安全に宇宙に行ける」ということです。
現在宇宙に行く方法としては、ロケットとスペースシャトルがありますが、これらの方法には墜落や爆発の危険性が伴います。
よく新聞やテレビで、ロケット打ち上げ失敗のニュースを耳にしますよね。
しかしながら、宇宙エレベーターはケーブル上を移動するのでそのような危険はありません。
したがって、宇宙エレベーターが実現すれば、現在よりも安全に宇宙に行くことが可能になります。
第二のメリットは、「誰でも宇宙に行ける」ということです。
宇宙飛行士になって宇宙に行くためには、膨大な知識と技術が必要になります。
ロケットやスペースシャトルの操作、無重力状態での活動など、その訓練は非常に多岐にわたります。
しかしながら、宇宙エレベーターが実現すれば、エレベーターに乗っているだけで誰でも簡単に宇宙に行けるようになります。
また、ロケットに比べて輸送コストも格段に下がるので、今よりも気軽に宇宙に行けるようになるでしょう。
「宇宙」に関する英語表現
ここからは、「宇宙」に関する英語表現を紹介します。
「宇宙」を意味する英単語3つ
はじめに、「宇宙」を意味する英単語を紹介します。
「宇宙」を表す英単語は3つありあすが、それぞれ微妙に意味が異なります。
space:宇宙空間
space は「宇宙空間」という意味で、地球を除く大気圏外の宇宙空間を指します。
outer space と呼ばれることもあります。
universe:宇宙
こちらは space と違い、地球を含めた宇宙全体を指す単語です。
inner space(地球)とouter space(大気圏外)を合わせたものが universe です。
cosmos:秩序
cosmos も space や universe と同様に宇宙という意味ですが、秩序ある調和のとれた宇宙を指します。
日常会話ではあまり使われない表現なので、単純に「宇宙」と言う時は space や universe を使うといいでしょう。
太陽系の天体の英語名
「太陽系」とは、恒星の一つである太陽の重力が及ぶ空間のことを指します。
太陽系には、地球を含めて8つの惑星があり、太陽に近い順に「水・金・地・火・木・土・天・海」となります。
太陽系 | The Solar System |
水星 | Mercury |
金星 | Venus |
地球 | Earth |
火星 | Mars |
木星 | Jupiter |
土星 | Saturn |
天王星 | Uranus |
海王星 | Neptune |
冥王星 | Pluto |
恒星 | fixed star |
惑星 | planet |
衛星 | satellite |
「宇宙エレベーター」を英語で説明してみよう
さいごに、宇宙エレベーターを英語で説明してみましょう。
さきほど説明したように、宇宙エレベーターは地球の周りを回る人工衛星からケーブルを伸ばし、人や物資を移動できるようにしたものです。
このケーブルは、重力と遠心力のバランスを取るために、地球側と宇宙側の両方に伸ばされます。
また、ケーブルは軽さと強さを兼ね備えた材質でなければいけません。
宇宙エレベーターは、2050年に完成を予定しています。
以上のことを英語で説明してみましょう。
- A space elevator is the elevator which we can move from the earth to the satellite orbiting the earth by using cables.
(宇宙エレベーターはケーブルを使って地球とその周りを周回する衛星の間を移動できるエレベーターです。)
- The cables are dropped down from the satellite to both the Earth side and the other side in order to balance between gravity and centrifugal force.
(ケーブルは重力と遠心力のバランスを取るために衛星から地球側とその反対側の両方に垂らされます。)
- The cable must be light and durable.
(ケーブルは軽くて丈夫である必要があります。)
- The space elevator will be made in 2050.
(宇宙エレベーターは2050年に完成予定です。)
一文目のsatellite は、続くorbiting the earth によって「地球を周回する衛星」という意味になります。
二文目では、「ケーブルを伸ばす」という表現を drop down from A to B(AからBまで垂らす)としています。
また、重力はgravity 、遠心力はcentrifugal forceとなります。
三文目の durable は「耐久性のある・丈夫な」という意味の形容詞です。
宇宙エレベーターが実現すれば夢が広がる!
宇宙エレベーターが実現すれば、現在よりも安全かつ気軽に宇宙に行くことが可能になります。
「ちょっと宇宙旅行に行ってくるね」というような世界が実現すれば、夢も広がりますよね。
宇宙エレベーターの完成を楽しみにしましょう。
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